足跡-sokuseki-

りかの日進月歩の記録

リーマンゼータ関数の収束条件

大学の数学の授業で広義積分を習ってから、その魅力にとりつかれてしまったので、最近は広義積分のなかでも比較的有名な「リーマンゼータ関数」をいじってばかりいる。簡単に言えば、リーマンゼータ関数とは、

 
 \zeta (s) = \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^s}

で表される関数のことである。その他詳しくは下記参考サイトにて。



数学の授業で、広義積分  f(x) の極限を求めるために、

 \sum^{\infty}_{n=1} f(x) が収束する  \Longleftrightarrow    \lim_{M \to \infty}  \int_{1}^{M}f(x)dx が収束

を使えば良いと学んだので、これを使ってリーマンゼータ関数の収束発散を調べていた。

 \int_{1}^{n} \frac{1}{ \sqrt{x} }dx = 2 ( \sqrt{n} - 1 ) \to \infty   (n \to \infty)
よって \zeta ( \frac{1}{2} ) は発散

 \int_{1}^{n} \frac{1}{x}dx = \log n \to \infty  (n \to \infty )
よって \zeta ( 1 ) は発散

 \int_{1}^{n} \frac{1}{x \sqrt{x} }dx = 2( 1 - \frac{1}{ \sqrt{n} } ) \to 2  (n \to \infty )
よって \zeta ( \frac{3}{2} ) は収束

 \int_{1}^{n} \frac{1}{x^2}dx = 1 - \frac{1}{n} \to 1  ( n \to \infty )
よって \zeta (2) は収束
(  \zeta (2) の収束値はバーゼル問題として有名 ( バーゼル問題 - Wikipedia ) )



ここからリーマンゼータ関数の収束条件をどこまで絞れるかと考えていたところ、Twitterにて「ゼータ関数に関する収束、発散の条件は定理としてまとめられている」と教えていただいたので、調べてみることに。
すると「複素数sの実部が1より大きいとき、  \zeta (s) は収束する」と書いてあった。

そういえば、と思って  n \in \mathbb{R} のときの  \int x^n dx 積分を思い出してみると、

 n \neq -1 のとき  \int x^n dx = \frac{ x^{n+1} }{ n+1 } + C
 n = -1 のとき  \int \frac{1}{x} dx= \log x +C

であり、 n=-1 のときは  x \to \infty で発散するのは明らかで、
 n \neq -1 のときの  \frac{ x^{n+1} }{ n+1 } について  x \to \infty で収束する条件は、
 x の指数が負になること、つまり、  n+1 < 0  \Longleftrightarrow  n < -1
よって、たしかに実数の場合でいえば、 s > 1 のとき  \zeta(s) は収束する。

以上のように、 s \in \mathbb{R} における  \zeta (s) の収束条件は比較的簡単にわかるんだなと実感。
 s \in \mathbb{C} にまで拡張すると、おそらく複素数積分の知識がいるはずなので、今の私には無理だと早々に諦めることにした。
いつか理解できるようになれたら、また記事を書きたいと思った。

参考サイト
リーマンゼータ関数 - Wikipedia
ゼータ関数の定義と基本的な話 | 高校数学の美しい物語