「爆笑」するのは誰なのか
Twitterのタイムラインで流れてきたツイートに驚いたので、私が思ったことと、それに関連して調べたことをメモしておく。
その内容は、「リツイートで回ってきたツイートを見て、電車の中なのに爆笑してしまった」というもので、私が引っかかったのは「爆笑」という言葉。
「爆笑」という単語の意味は「大勢のひとが同時に笑うこと」である。この人はもしかして電車の中で知人と同じツイートを見ながら盛り上がっていたのかとはじめは思ったけれど、前後のツイートからそれはないと確信したので、おそらく「誤用」なのだろうと結論づけた。
言葉の乱れや誤用という言葉をよく目にする(それは主にいわゆる若者言葉やら抜き言葉についての言及のときに使われている)が、私はあまりこれらの言葉が好きではなくて、それは私が「言葉は移り変わっていくもの」だという認識をしているという理由からくる(だから私がこれらの言葉をつかうときは、「」をつけたり、「いわゆる」という言葉をつけたりしている)。
「爆笑」という言葉を「一人で大笑いする」という意味で使われているのを「誤用」だと思うのは今だけで、もう少しすれば、人数の考慮なしにつかえるようになるかもしれない。それがいつになるかはぜんぜんわからないし、すでに辞書によっては一人で笑う場合も使えると書いてあるらしい(それでも未だほとんどの辞書は複数人で笑うことだとしている)。
「言葉は移り変わっていくもの」だとしても、その変遷の間は意味が錯綜して、意思疎通が困難になる。複数の意味を持っているわけだから、言葉の使用者がどの意味で使ったのかを正しく判断しなければ、誤解が生まれてしまう。言葉の移り変わりは、より意思疎通をしやすくするためにあるはずなのに、弊害がとても大きいということを再認識した出来事だった。
以下参考にしたサイト
「失笑」と「爆笑」の笑い方の違いについて ~誤用の多い失笑と爆笑の正しい意味は | コトバノ
文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 第20期国語審議会 | 新しい時代に応じた国語施策について(審議経過報告) | I 言葉遣いに関すること