競プロ合宿の開き方
はじめに
競プロ合宿といえば RUPC (立命館大学競技プログラミング合宿)や ACPC (会津大学競技プログラミング合宿)が有名だと思います。*1
最近、競プロ合宿の需要が増えている気がしていて、たとえば RUPC の参加登録はページ公開後1時間もしないうちに埋まってしまったり、
競技プログラミング勉強合宿 in 大阪 #atnd #cpsco2019 https://t.co/LdJt6ELeDc
— はにーま (@mtmnrc) 2019年4月4日
お待たせしました!!!
競プロ勉強合宿の参加申し込みを開始します!!!!
競プロ経験歴に関わらず
お菓子でも食べながらわいわいコンテストしようっていう感じです
お気軽にご参加ください٩( 'ω' )و
【告知】2019 年 7 月 14 日 (日)・15 日 (月祝) に、北海道大学プログラミング合宿 (HUPC2019) を開催します!
— tsutaj (@_TTJR_) 2019年3月30日
2 日目のコンテストの作問をしてくださる方を募集しています。作問をやってみたい方・協力してくださる方は自分に連絡ください、よろしくお願いします🙇♂️
のように新たに競プロ合宿が開催されたりしています。
競プロ合宿は楽しいので、もっとたくさんの合宿が開催されてほしいなーと思い、合宿の運営のノウハウなどをみんなに共有したい気持ちになったので書きます。
ちなみに、そすうさは RUPC2017 / RUPC2018 / RUPC2019 の運営を経験しているのですが、この記事は自分から見た部分しか書いてないので、もし何か不備等があれば言ってください。
また、もっと詳しいことが知りたい場合は直接聞いてください。
RUPC / ACPCとは
RUPC は立命館大学が主催する競プロ合宿、 ACPC は会津大学が主催する競プロ合宿で、それぞれ例年3月と9月に開催されています。
これらの競プロ合宿の主な特徴は
- 3日間にわたり、オンサイトでチーム戦のコンテストを行う
- コンテストで使う問題は、どこかのコンテストの過去問ではなく、運営が用意する
となっています。
問題セットは立命館大学、会津大学、北海道大学が提供し*2、(主観的には) ICPC っぽい問題が出題されているみたい*3です。
コンテストは Aizu Online Judge (AOJ)で行っています。
競プロ合宿(RUPC)の運営の大まかな仕事
RUPC でやっていることを書きます。時系列じゃなさそう。
はやめにすること
- 日程を決める
RUPC ではジャッジ(作問)をする3大学の予定をうまくすりあわせて日程を決めています。(だいたい1月上旬くらいに、いつにするか話し合い始めている気がする。)
日中に行われる他のコンテスト(企業コンや有志コン)と日程が被ってしまうと悲惨になってしまうので、コンテストを開催しそうな大学の人やちょくだいさんとDMで相談して避けるのがよいです。
3月は卒業式や学会が行われやすいので、そういうのも外そうと考え始めると、だいたい候補の日程は固まってきます。
- 問題セットを提供してくれる人を探す
RUPC では例年会津大学と北海道大学に頼んでいますが、新しく合宿を開催するなどであてがない場合は、作問できそうな知り合いに声をかけてみるか Twitter などで募集するとよいと思います。
作問を頼む場合は、早めにコンテストの時間(3時間など)を決めましょう。何時間セットにするかを決めないとどういう難易度の問題をどれくらい作る必要があるかわからないので。慣れていないと作問は時間がかかりがちなので、作問者はできるだけ早く募集するといいと思います。
ちなみに RUPC では3時間セットで7問程度、5時間セットで13問程度出題されているようです。
- 会場を抑えて参加人数を決める
日程が決まったら、会場を押さえましょう。遠方から来る人は大きい荷物を持って来ることが予想されるので、広めの部屋だと嬉しいです(コンテスト前・コンテスト後の交流とかも広いとやりやすい)。コンテスト中はみんなPCを使うので、会場に電源がたくさんあると良いです。もし電源が少なければ、その分たくさんタップを用意しましょう。
参加人数は、会場の広さや風船運びなどの運営の都合を考えて決めると良いです。
- 懇親会の場所を決める
参加人数が多いと懇親会の会場を探すのが難しいがち。
たくさんの人と交流できるように、席を移動できるタイプのお店だと嬉しいなあという気持ちになります。
- ジャッジシステムとして AOJ が使えるように会津大学の先生と連絡をとる
コンテスト開催の日程と時間が決まったら、先生と連絡をとりましょう。*4
- ATND とフォームを書く
ATND には、どういう合宿か、場所や日時、スケジュールはどうなっているか、参加人数の枠や参加費はどのくらいか、懇親会はどうするか、みたいなのを書きます。(RUPCのATNDを参考にしてください)
RUPC の募集には ATND を使っていますが、昔はこくちーずを使っていたみたいです。こういうイベント告知サイトは他にもありますが、どこがいいかはよくわかりません。
ATND では懇親会の参加の出欠確認ができないので、Google フォーム を併用していて、そこでコンテスト・懇親会の出欠や名札の情報を集めています。
ATND とフォームの募集を締め切ると合宿の参加人数や懇親会の人数が確定できるので、締め切りの日時は懇親会の人数の確定日時とかに設定すると良いです。*5
- 無線 LAN が使えるか確認する
無線 LAN が使える環境がないとコンテストがつらいです。
- 風船や名札ケースやゴミ袋などを買っておく
RUPC の場合はだいたい Amazon で買い揃えます。
風船や問題文を入れる封筒は使いまわすので一度用意すればそれでいいんですが、紙コップやウェットティッシュやゴミ袋等は消耗品なのでちゃんと買いましょう。
名札は回収が面倒なので毎回使い捨てのやつを買ったりしています。別のオンサイトで RUPC の名札持ってる人を見かけると嬉しくなりがち。
- 企業に協賛してもらえるなら連絡をとっておく
昔は RCO さんとかに協賛してもらっていて、そのときは懇親会費が無料になってましたね。その節は大変お世話になりました。
- 大学の宿泊施設の予約など
立命館には学生のみが宿泊できる施設があって、ジャッジの3大学の人は大学に宿泊したりしています。
- 作問
作問の仕方は Rimeの使い方 - beet's soil を参考にすると良いです。余裕をもって作問しないと炎上しがち。
直前にすること
- お菓子と飲み物を買いに行く
買ったものは部室等に置いておき、当日の朝に会場に並べるのがいいと思います。もしそのような場所がなければ、当日の朝に買いに行くのが良さそう。
ちなみになんですが、70人分の3日間のお菓子と飲み物を一度に買おうとすると結構大変で、7人くらいいないと運ぶのが不可能。
- 名札や受付の準備をする
参加者リストを作ってそれぞれ懇親会の金額を書いておくと、当日の受付のときに計算しなくてよくて便利だったりします。
名札にはアイコンと名前を書いていますが、もしかして所属の情報とか入れた方がよかったりしますか?(まあ必要なら勝手に余白に書いてもらうといいんですが)
- 問題文の印刷
事前に問題が完成していれば先に印刷しましょう。 RUPC の立命セットは例年間に合ってないので Day 1 の朝に印刷していますが、非常にバタバタします。
- 会場の設営の準備
チーム戦のために机や椅子をいい感じに配置します。これは当日の朝にやってもいいと思います。大掛かりな移動は前日までにやっておくと当日楽になる程度。
- ネット接続のチェックとか
まあいらないと思うけど一応。*6
当日すること
- 会場の設営
受付の場所をつくったり、お菓子や飲み物を並べたりします。飲み物は紙コップで飲むことになるので、紙コップを置くスペースや紙コップに名前を書くペンなどを用意しましょう。コンテスト終了後とかに感想戦などで人がお菓子の周りに群がりがちなので、スペースに余裕があるといいと思います。
あとはコンテストで使用するプリンターやコピー用紙も準備しておきましょう。
- 受付で参加費等を回収する
同人即売会みたいに百円玉とかたくさんあるといいと思います。行ったことないから知らないけど。
RUPC2019 ではチーム決めにアプリケーションを使っていたので、それに使う AtCoder ID を聞いたりもしていました。
参加人数が多いと受付が混みがちなので複数人いたほうがいいです。名札は受付のところに並べておくと、来た人に勝手に取っていってもらえるので楽です。
- 合宿中の司会・進行とか
社会性とコミュ力が試されます。スケジュールとか臨機応変にするのむずかしいね。*7
- コンテスト中のあれこれ
風船を運んだり、clar (質問)対応をしたり、First Accept の記録をしたり、印刷クエリに対応したり、いろいろ
- 解説後の片付けと懇親会への案内
風船や問題文を入れた封筒は使い回しているので、ちゃんと回収しましょう。あとはよしなに。
漏れがありそうだけど、だいたいこんな感じな気がします。
どこまで詳しく書けばいいかわかんないね。
最後に
運営は大変なこともありますが、参加した人に楽しかったって言ってもらえるのが一番嬉しいです。あと参加記を読むのも好き。
競プロ合宿は他のオンサイトに比べて参加のハードルが低い(予選があったりするわけではない)ので、普段会えないようないろんな人と知り合いになれるのも良い点だと思っています。
運営でわからない点があったら気軽に聞いてもらっていいので、ぜひ競プロ合宿やりましょう!!応援します!!
*1:会津大学競技プログラミング部によると、2012年から毎年開催していて歴史がありますね
*2:昔は他の大学だったらしいです
*3:もともと RUPC / ACPC は ICPC 対策の色が強いので
*4:新しい合宿を開催する場合は、いきなり日時のメールを送るんじゃなくて、この時期に開催を考えているんですけど…みたいな連絡を事前にするべきだと思う(しらんけど
*5:RUPCでは懇親会が大人数の予約になるので、1週間前までに人数を確定して連絡してくれみたいなのをお店から言われます。
*6:一番怖いのが同時接続に耐えられるかなんですが、事前の接続チェックで70台を一気につなぐことは無理なので
*7: RUPC や ACPC の Day3 は朝が早いので遅刻する人がいる